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インフルエンザなどの感染症が流行し、発熱や風邪症状のある患者さんが増える時期は、病院の予約も埋まり、院内も混雑してなかなか気軽に受診できないこともあるかもしれません。
「熱が出たらすぐに病院に行って解熱剤をもらわなければいけない」ということはありません。
「本当に受診した方がいいのか?」「できれば混雑を避けたい」といった時、“受診すべき症状の目安”と“自宅で過ごすときのポイント”についてまとめました。
受診を急いだほうがよいとき
下記のどれかに当てはまるときは、早めの受診をおすすめします。
■ 強い症状(ショック・意識障害・呼吸障害)
- 顔色が悪い、立ち上がれない
- 意識がはっきりしない、ぐったりして動けない、けいれんを起こした
- 呼吸が苦しい、ゼーゼーしている
※このようなときは救急車を呼ぶのも選択肢です
■ 子どもの場合
- 生まれて初めての発熱
- 発熱が 4日以上 続く
- 顔色が悪い、反応が鈍い
- 水分が取れない、ミルクを飲まない、尿が出ていない
- けいれんを起こした
- 発熱とともに発疹が出ている
■ “ただの風邪ではないかも” という症状
- のどの強い痛みと高熱(溶連菌感染症の可能性)
- 咳と発熱が1週間以上続く(肺炎の可能性)
- インフルエンザの周囲流行+急な高熱
- 上気道症状(鼻水、咳、のどの痛み)がない(風邪以外の感染症が考えられる)
逆に、上記に該当しない場合は自宅で工夫をして過ごすことも選択肢となります。
自宅で過ごすポイント
一般的な風邪の場合、以下のケアを試みて自宅でなるべく安楽に過ごすことも可能です。
■ 水分補給、休養
- 脱水をさけるため水分摂取を心がけましょう。下痢、嘔吐があるときは少量・頻回の摂取がおすすめです。
- ただの水やお茶ではなく、適量のカロリーと電解質を含んだスポーツドリンク、経口補水液がおすすめ。
- 固形物は無理して食べなくても1週間程度はなんとかなります。水分摂取を優先で。
■ 市販薬(OTC薬)の上手な使い方
- 発熱、頭痛、関節痛には解熱鎮静薬が効果的です。迷ったらアセトアミノフェン(カロナール系) が安全。効果が強いのはロキソニンですが、胃に負担がかかる傾向があります。
- 咳・鼻・のどの薬症状に合わせたものを薬剤師に確認して購入しましょう。
- たくさんの成分が入りすぎているものはあまりおすすめできません。
- 6歳未満の子どもは市販薬を使用するのはおすすめしません。
■ ホームケア
- 睡眠をしっかり取る。
- 寒い時期には部屋を暖かくして、しっかり加湿する。
- 鼻うがい、適切な鼻かみも効果的。
- 鼻がかめない乳幼児では鼻吸いも効果的です。
- 咳にはハチミツなどドロっとした食品も効果的です(1歳未満は禁!)。
■ インフルエンザ?新型コロナ?
- インフルエンザと新型コロナは自宅でのキット検査も可能です。
- ドラッグストアなどで購入していつでも使えるように自宅に準備しておくと便利です。
- インフルエンザが陽性に出た場合、発熱後48時間以内であれば抗ウイルス薬の適応となります。ただし、抗ウイルス薬がなくても治らないわけではありません。
- 新型コロナに対しては特別な薬はありません。自宅療養期間を確認し、受診は必須ではありません。
- 胃腸炎、ノロウイルスが疑われるとき
- 胃腸炎やノロウイルスは発症12〜24時間の嘔吐が続く時期が一番辛いですが、このタイミングで医療機関を受診してもあまりできることがありません。むしろ、待ち時間などで余計に苦しむことになってしまうこともあります。
- 以下の注意点を参照し、自宅で安静に過ごすことがおすすめです。
- 胃腸炎の治療は「脱水の予防」、すなわち適切な水分の摂取につきます。これが上手にできれば、薬はなくとも自然治癒していきます。

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