
肺炎は日本人の死亡原因の上位に入る病気で、特に高齢者では注意が必要です。
その中でも肺炎球菌は高齢者肺炎の原因として最も多い細菌で、約20〜30%を占めるとされています。
肺炎球菌による感染は、肺炎だけでなく菌血症や髄膜炎などの重い感染症につながることもあります。
そのため、ワクチンによる予防がとても重要です。
現在は従来のワクチンに加えて、より広い範囲の菌をカバーできる新しいワクチンが選択できるようになりました。
ワクチンの種類
現在主に使われている肺炎球菌ワクチンは次の3種類です。
| ワクチン | 対応菌種 | 接種回数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ニューモバックス(PPSV23) | 23種類 | 5年ごとに追加接種 | 従来から使用されているワクチン |
| プレベナー20(PCV20) | 20種類 | 1回接種で完了 | 新しいワクチン |
| キャップバックス(PCV21) | 21種類 | 1回接種で完了 | 日本で流行する菌をより広くカバー |
キャップバックス(PCV21)は
日本で流行している菌の約77.5%をカバーすると報告されています。
特に
23A
35B
15A
といった、日本で多く検出される血清型にも対応しています。
(但し、海外ではPCV20とPCV21の有効性はほぼ同等、と考えられています。)
接種スケジュール
現在は接種方法がかなりシンプルになっています。
- 初めて肺炎球菌ワクチンを受ける場合
PCV20 または PCV21
1回接種で完了
- 過去にニューモバックスのみ接種した場合
1年以上あけて
PCV20 または PCV21 を 1回追加接種
- 過去にバクニュバンス(PCV15)接種済みの場合
1年後に
ニューモバックス接種
定期接種と任意接種
肺炎球菌ワクチンには「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。
定期接種の場合、自治体の助成があり費用が安くなるメリットがあります。
ただし、多くの自治体では65歳などの節目年齢でしか接種できないという制限があります。
当院でご案内しているワクチンは、すべて任意接種で受けるワクチンになります。
任意接種は節目年齢を待たずに接種できるというメリットがあります。
65歳を過ぎると肺炎のリスクが高まりますので、数年間接種を待つとそれなりのリスクを伴います。
任意接種では、その時点で最も新しいワクチンを選ぶことができるのもメリットといえます。
それぞれのメリット・デメリットを考慮し、ご自身に最適な接種の仕方を選んでください。
まとめ
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肺炎球菌は高齢者肺炎の原因として最も多い菌で、ワクチン予防が重要です。
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ワクチンにはニューモバックス・プレベナー20・キャップバックスの3種類があります。
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ニューモバックスは5年ごとに追加接種が必要です。
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プレベナー20・キャップバックスは1回接種で完了します。
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定期接種は助成があり安価ですが節目年齢の制限があり、任意接種では年齢を待たず新しいワクチンを選択できます。
接種歴によって最適なワクチンが変わるため、「以前ワクチンを打った気がするけど覚えていない」という方もお気軽にご相談ください。


