
喘息性気管支炎とは
喘息性気管支炎について
喘息性気管支炎は、特に乳児や幼児がかかりやすい呼吸器の病気です。風邪などのウイルス感染がきっかけとなり、気管支が炎症を起こして狭くなり、ゼーゼー・ヒューヒューといった**喘鳴(ぜんめい)**を伴う咳が出るのが特徴です。喘息と似た症状がみられますが、必ずしも喘息に移行するわけではありません。
ここでは、喘息性気管支炎について「どのような病気か」「症状」「検査」「治療法」に分けて詳しく説明します。
1. どのような病気か
喘息性気管支炎は、ウイルス感染が原因となって起こる気管支の炎症です。特に乳幼児は気道が細く、炎症が起こるとすぐに狭くなり、息苦しさや喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を引き起こします。
発症の原因となるウイルスには、以下のようなものがあります。
- RSウイルス(乳幼児の呼吸器感染症の主な原因)
- ライノウイルス(一般的な風邪の原因ウイルス)
- パラインフルエンザウイルス(クループ症候群の原因にもなる)
- アデノウイルス(発熱や目の充血を伴うことがある)
喘息とは違い、ウイルス感染によって一時的に症状が出るのが特徴です。ただし、繰り返し発症する場合や、家族に喘息の既往歴がある場合は、後に喘息に移行する可能性もあるため注意が必要です。
2. 症状
喘息性気管支炎の主な症状は以下の通りです。
- 咳が続く(特に夜間や明け方に悪化しやすい)
- ゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)が聞こえる
- 鼻水やくしゃみ(風邪症状を伴うことが多い)
- 発熱(38℃前後の発熱がみられることもある)
- 息苦しさ(呼吸が速くなる、胸やお腹がペコペコへこむような呼吸)
特に生後6か月〜2歳くらいの乳幼児に多くみられます。症状が軽い場合は自宅で様子を見ることもできますが、以下のような場合はすぐに医療機関を受診してください。
⚠️ 受診が必要なサイン
- 呼吸が非常に速い(1分間に60回以上)
- 呼吸が苦しそうで、肩やお腹を大きく動かしている
- 唇や顔色が青白い(チアノーゼ)
- 水分がとれず、ぐったりしている
これらの症状がある場合は、重症化の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
3. 検査
喘息性気管支炎の診断は、主に症状と診察所見から判断されます。乳幼児の場合、呼吸機能検査が難しいため、以下のような検査を行うことがあります。
主な検査
- 聴診
- 医師が聴診器で胸の音を聞き、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)があるか確認します。
- 血液検査
- 炎症の程度やウイルス感染の有無を確認するために行うことがあります。
- ウイルス検査(鼻咽頭ぬぐい液)
- RSウイルスやインフルエンザなどのウイルス感染が疑われる場合に実施。
- 胸部X線検査
- 肺炎との鑑別が必要な場合に行います。
- パルスオキシメーター(酸素飽和度測定)
- 呼吸が苦しそうな場合に、血中の酸素濃度を測定します。酸素が足りていない場合は、入院が必要になることもあります。
4. 治療法
喘息性気管支炎は、ウイルスが原因であるため基本的には自然に回復する病気です。しかし、呼吸が苦しい場合や咳がひどい場合には、症状を和らげるための治療が必要になります。
自宅でのケア(軽症の場合)
- こまめに水分補給(母乳・ミルク・白湯など)
- 室内の湿度を保つ(乾燥を防ぐことで気道への刺激を減らす)
- 安静に過ごす(無理に動き回らず、ゆっくり休ませる)
- 頭を少し高くして寝かせる(呼吸がしやすくなる)
医療機関での治療(症状が重い場合)
- 気管支拡張薬(吸入治療)
- 喘鳴が強い場合に、β2刺激薬(サルブタモールなど)の吸入を行い、気道を広げる。
- ステロイド薬(内服または吸入)
- 炎症を抑えるために、短期間使用することがある。
- 酸素投与
- 酸素飽和度が低い場合に行う。
- 点滴
- 水分補給ができない場合や、ぐったりしている場合に必要になることがある。
通常は1週間ほどで回復しますが、重症化する場合は入院治療が必要になることもあります。
まとめ
✅ 喘息性気管支炎は、乳幼児がかかりやすいウイルス感染による気管支の炎症。
✅ ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴が特徴で、夜間や明け方に症状が悪化しやすい。
✅ 診察や聴診で診断し、必要に応じて血液検査やX線検査を行う。
✅ 基本的には自然に回復するが、症状が重い場合は吸入治療やステロイドを使用することがある。
✅ 呼吸困難がひどい場合はすぐに医療機関を受診することが重要。
乳幼児の呼吸器疾患は悪化しやすいため、少しでも様子がおかしいと感じたら早めに受診することが大切です。お子さんの健康を守るためにも、適切な対応を心がけましょう。