
「マイコプラズマ感染症」は、マイコプラズマという小さな細菌が原因で起こる病気です。
感染してから2週間ほどの潜伏期を経て、風邪のような症状から始まり、せきが長引くのが大きな特徴です。特に小学生から高校生くらいの年齢の子どもたちによく見られますが、大人がかかることもあります。高齢者に流行することはまれです。
主な症状は?
- のどの痛み
- 熱(38〜39℃の発熱が4〜5日続くことも)
- 乾いたせき(たんの少ない、コンコンというせき)
- 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
- せきが2〜3週間以上続くこともあります
- 食欲の低下、下痢、腹痛
- 倦怠感
せきが長引き、ぜんそくのように喘鳴を起こすことがあります。
かぜと異なり、倦怠感、食欲低下などがよくみられるのも特徴です。
ウイルスではなく「細菌」ですが、普通の抗生物質が効かないことも
マイコプラズマは「細菌」の一種ですが、細胞の壁を持たないという特殊な構造をしています。
そのため、ペニシリン系などの一般的な抗生物質が効きにくいのが特徴です。
効果がある薬としては、
- マクロライド系(クラリス、ジスロマック など)
- テトラサイクリン系(中学生以上)
- ニューキノロン系(大人向け)
などがあり、年齢や症状に合わせて使い分けます。
ただし風邪症状のみで自然に治ることも多く、必ず抗菌薬が必要なわけではありません。
検査や診断は?
のどのぬぐい液から診断することが最も確実ですが、菌が増殖するのに時間がかかるため結果が出るのに数日かかり、早期診断には不向きです。
そのため、症状や流行状況、聴診の所見などから総合的に判断することが多いです。
家族やまわりの人にうつる?
飛まつ感染を起こします。インフルエンザほどの強い感染力ではありませんが、流行期には学校や家庭内で集団感染を起こすこともまれではありません。
手洗い・咳エチケット(マスク)が大切です。
いつまで学校や保育園を休む?
マイコプラズマ感染症は学校保健安全法の出席停止対象ではありません。
ただし、発熱や強いせきがあるうちは感染力も強いため、無理せず、症状が落ち着くまでお休みしましょう。