
むくみ(浮腫)とは?
「浮腫(ふしゅ)」とは、血液中の水分が血管の外ににじみ出て、体の一部に水分が異常にたまっている状態を指します。
一般的には「むくみ」と呼ばれるものです。
内臓の病気が隠れていることも
むくみの原因の中には、心臓・肝臓・腎臓・甲状腺などの病気が隠れていることがあります。
これらは生命に関わる重大な疾患につながることもあるため、血液検査や尿検査でしっかり調べる必要があります。
また、一部の降圧薬など、薬の副作用によってむくみが出ることもあります。
その場合は、原因となる薬を中止するとむくみは改善します。
足のむくみの多くは「沈下性浮腫」
これらが否定的な場合、下肢のむくみの多くは「沈下性浮腫」と呼ばれるものです。
沈下性浮腫は加齢に伴う筋力低下や運動不足によって起こり、重力の影響で夕方にかけて足がむくみやすく、朝には改善していることが多いのが特徴です。
血液が重力に逆らって心臓に戻るためには、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割をすることが欠かせません。足の筋力がおとろえることでこの機能が落ち、下肢がむくむのが沈下性浮腫です。
女性は男性よりも筋肉量が少なく、ホルモンの影響などで水分が溜まりやすい傾向があるため、沈下性浮腫は女性に多くみられます。
対策としては、運動(特にふくらはぎの筋肉を鍛えるような運動)、着圧ソックスの使用、足を高くして休むことなどが有効です。
片足だけの急なむくみに注意
注意が必要なのは、突然片側の足だけにむくみが出た場合です。
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深部静脈血栓症:足の静脈に血のかたまりができる病気で、長時間の飛行機移動、ピルの内服、肥満などがリスクとなります。強い痛みを伴うこともあります。
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蜂窩織炎:むくんでいる部分の痛みが強かったり、発熱をともなう場合に疑います。
これらが疑われるときは、早急に医療機関を受診する必要があります。
リンパ浮腫は専門治療が必要
リンパ浮腫は、体にたまった老廃物を運ぶリンパ管が何らかの原因によりふさがり、リンパ液が皮下にたまって腕や脚にむくみを生じた状態のことをさします。
原因が特にない一次性のリンパ浮腫と、がんの手術の際にリンパ節を切除したり、放射線を照射することで発症する二次性のリンパ浮腫があります。
通常のむくみに対する治療は効果がなく、専門的な治療が必要になります。
まとめ
むくみはほとんどが加齢や運動不足、生活習慣からくる沈下性浮腫ですが、重大な病気のサインであることもあります。
両足なのか片足なのか、痛みや発熱をともなうか、といった点に注意しながら、気になる場合はお気軽にクリニックまでご相談ください。