
肺がんは、日本でも世界でも、がんによる死亡原因の上位を占める病気です。
特に問題なのは、「症状が出てから見つかることが多い」という点です。
咳や息切れ、血痰などの症状が出た時には、すでに進行しているケースも少なくありません。
そのため、肺がんは症状がないうちに検診で見つけることが非常に重要な病気であるといえます。
肺がんは身近な病気
日本では年間およそ12万人が肺がんと診断され、全がんの中でも非常に大きな割合を占めています。
死亡数も多く、男性では1位、女性でも2位と上位に位置し、がんによる死亡の中で非常に高い割合をしめています。
一方で、早期に発見できれば治療の選択肢は大きく広がります。
小さい段階で見つかった肺がんでは、手術や局所治療のみで根治を目指せるケースもあります。
「毎年レントゲンを撮っているから安心」ではない
肺がん検診として毎年胸部レントゲンを受けている方も多いと思います。
しかし実は、レントゲン検査によって肺がん死亡率が下がるという事実はありません。
特に小さな肺がんや、心臓・骨の陰に隠れた病変は、レントゲンでは見つけにくいことがあります。
世界的には肺がんの検診としてレントゲンは用いられておらず、代わりに「低線量CT」による肺がん検診が主流となっています。
欧米では多くの大規模研究により、低線量CTによって肺がん死亡率が低下することが実証されています。
日本では長らくレントゲン中心の肺がん検診が行われ、ガイドライン上でも肺がんに対するレントゲン検査は推奨されてきました。
(かつては結核の発見のため、という別の意味合いもありました)
しかし2025年のガイドライン改訂により、「レントゲンではなく低線量CTを」と、ようやく軌道修正がなされました。
どんな人が検査を受けるべきか?
特に以下のような方は、肺がんリスクが高いと考えられます。
- 50〜80歳
- 喫煙歴がある
- 現在も喫煙している、または過去に喫煙していた
- 20パックイヤー(1日20本の喫煙を20年間)以上の喫煙歴がある
特に20パックイヤー以上の方は、肺がんだけでなく、COPD(肺気腫)や心筋梗塞など、さまざまな病気のリスクも高くなることが知られており、必ず毎年検査を受けたほうがいいでしょう。
検診は「症状がない今」受けるもの
検診は、「具合が悪くなってから受ける検査」ではありません。
症状のない段階で、将来のリスクを減らすために行う検査です。
特に喫煙歴のある方は、「昔吸っていたからもう関係ない」と思わず、検診の通知が届いたら必ず毎年受けるようにしましょう。
「私の年齢でも受けたほうがいいか」
「検診を機に禁煙についても相談したい」
などの相談も当院ではいつでも受けつけております。どうぞお気軽にご相談ください。


