
「ただの便秘」といって便秘を放っておかないでください。便秘に対して、早めに対処していただくことで、慢性的な便秘を予防することができます。また、腸の神経の病気や肛門の位置の異常などでも便秘になることがありますので、便秘の時には一度医師の診察を受け、今後の治療をしっかりと行っていくことが重要です。
便秘について
直腸は、柔らかく伸びる性質があります。ここに便がたまると、直腸は伸びてかなりの量のうんちを溜めることができます。小さい時にちょっとしたきっかけで便秘になると、直腸に次々と便がたまり、直腸が伸びきった状態になります。その状態が続くと、便が直腸に届いたという刺激を感じにくくなり、さらに便秘がひどくなってしまいます。この直腸が伸びた状態を作らないことが重要です。小さい時のちょっとした便秘が、その後の慢性の便秘に移行してしまうことがありますので、注意してください。
便秘でもう一つ重要なことは、うんちが固くなり、出す時に痛みを伴ってしまう場合です。痛みがあると、怖がってうんちをしなくなってしまいます。些細なことがきっかけでどんどん便秘がひどくなってしまうことがありますので、「たかが便秘」と思わずに、医療機関を受診して相談していただくのが良いでしょう。
便秘がひどくなると・・・
便秘がひどくなると、うんちをするときに、「肛門が切れて出血してしまうこともあります。さらに便秘がひどくなると、直腸にたまった便の塊の脇から、下痢状の便が漏れ出てくるようになってしまいます。これは、長期間便秘を放置しておくとこのようになり、自分が知らない間に失禁してしまうようになります。知らない間に失禁してしまうと、漏らしてしまったことを怒られてストレスをため込んだり、周囲から「臭い」と言われてしまうこともあります。そのような場合には、浣腸や腸内洗浄、最悪の場合には、全身麻酔をかけて腸に詰まった便をとりだすことが必要になることもあります。このような状態にならないように、便秘の初期からしっかりと治すこと、便を軟らかく保ち、痛みなく1日1回うんちを出す習慣をつけることが重要です。
便秘の治療
①とにかく出す
便秘で重要なのはとにかく直腸に便を溜めないということです。「浣腸は癖になりませんか?」「薬を飲むと薬がやめられなくなり、便秘が治りにくくなるんじゃないの?」と心配される保護者の方は多いと思います。しかし、そんな心配は全くいりません。浣腸、薬を使わないとうんちが出ない状態は、きちんと出るようになれば、自然と浣腸も薬もいらなくなります。使わないと出ない状態は、薬や浣腸を必要としている状態なのです。では、便秘に使う主な薬をご紹介します。
・グリセリン浣腸
グリセリン浣腸は、直腸の壁からの水分吸収に伴う刺激で、腸の動きを促進し、また、便をやわらかくさせて便を排泄させます。直腸にたまっている便を出すのにはとても有効な手段です。
・酸化マグネシウム、マグラックス
マグネシウム製剤は、便に水分を含ませて便を軟らかくする効果があります。内服の量によって便の硬さは調節できます。薬の量、飲む回数等は便の硬さを見ながら調節するのが良いでしょう。
・ラキソベロン
夜寝る前に口の中に垂らして使用するお薬です。ラキンベロンは、小腸内で分解されず大腸まで届き、大陽の細菌叢(だいちょうさいさんそう)の酵素により、分解されて大腸を刺談して腸を動かして排便をに促します。
・マルツエキス
主成分である麦芽糖が腸内の菌によって分解(発酵)され、生じたガスによって便通を促すとされています。比較的、穏やかな作用であり、主に乳幼児の便秘に用いられます。
薬の他にも、乳幼児であれば綿棒を使って肛門を刺激してあげることで、うんちが出やすくなることもあります。綿棒にベビーオイルなどをつけて、綿棒の先端の膨らんだ部分を肛門から入れて少し刺激することで、出ることもありますので、試していただくと良いと思います。
②排便に対する恐怖感、ストレスを減らす
緊張している状態だと、腸の動きを調節する神経のバランスが悪くなり、便秘がちになります。リラックスできる状況を作ることが重要です。お母さんが神経質だとお子さんは便秘にやすいとも言われています。日々の生活のストレスを緩和し、そしてトイレでゆっくりと排便ができる環境を作ってあげることも便秘を改善するのには重要です。
③食事
薬や浣腸を使用して直腸に便を溜めこまない様にすることを習慣づけたうえで、その後食事療法をしていくと効果的です。食物繊維を良くとること、水分を良くとることが重要ですが、乳幼児では食事でコントロールするのはかなり難しいといえるでしょう。食事でコントロールできるまでは、浣腸や内服薬をうまく使うことが効果的です。