
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、皮膚にできる小さなイボで、ウイルス(ヒトパピローマウイルス:HPV)による感染で発生します。
HPVといえば子宮頚がんの原因となるウイルスですが、尋常性疣贅の原因となるHPVは型が違うため、がん化はしません。
主に子どもや若年者の手の指や足の裏に見られますが、大人や高齢者にできることもあります。
イボができるしくみ
小さなキズやささくれ、乾燥した皮膚などにHPVが侵入して感染し、皮膚の細胞が過剰に増殖してイボを形成します。
イボは円形で小さくて盛り上がり、ざらざらしています。中心に点状出血がみられるのが特徴です。
痛みはほとんどの場合ありませんが、場所によっては痛むこともあります(足の裏など)。
人にうつることはまれですが、自分のイボをかくことで他の部位に広がる(自己感染)ことがよくあります。
治療法
多くのイボは半年〜2年程度で自然に消えることが多いですが、気になる場合は治療を選ぶことができます。
液体窒素による凍結治療
イボを凍らせて壊死させる治療。凍結後にしばらく痛むことがありますが、効果は高めです。
サリチル酸(スピール膏)などの外用薬
イボに貼ることでイボを柔らかくし、少しずつ削って除去します。液体窒素と併用できます。
尋常性疣贅はウイルスが原因の良性の皮膚病変で、自然治癒も期待できますが、見た目や痛みが気になる場合は治療することができます。気になる方は一度クリニックでご相談ください。