
AIは「もっともらしい嘘」をつく
ChatGPTをはじめとする生成AIは、いまや私たちの生活に深く入り込んでいます。
検索より速く、説明はわかりやすく、まるで専門家のように答えてくれます。
しかし、その便利さの裏には、見過ごせない問題があります。
それが、AIが「知らないこと」を、あたかも本当のように語ってしまう現象です。
半分以上が“存在しない医学情報”だったという衝撃
ある研究で、AIに医学的な質問を行い、その回答の正確性を検証しました。すると驚くべき結果が明らかになりました。
50〜83%の確率で、実在しない医学情報が「本物のように説明」されていた
つまり、
2回に1回以上は“それっぽい嘘”が混ざっている可能性がある
ということです。
しかも厄介なのは、その説明が非常に論理的、専門的で、説得力があることです。
深い知識がない状態で読めば、「正しそう」と感じてしまいます。
この現象は、専門的にはハルシネーション(hallucination:幻覚)と呼ばれています。
なぜAIは間違えるのか?
AIは、人間のように「知識を理解」しているわけではありません。
- 過去の膨大な文章から
- 「それっぽい答え」を統計的に生成している
つまり、「正しいかどうか」より「もっともらしく見えるか」を優先してしまうのです。
そのため、
- 存在しない論文を引用する
- 架空の医学概念を説明する
- 微妙に間違った数値を断定する
といった現象が起こります。
医療分野での影響は深刻
医療において、情報の正確性は命に直結します。
もしAIの情報をそのまま信じてしまうと、
- 誤った自己判断
- 不必要な不安
- 不適切な治療選択
につながる可能性があります。
実際、最新の研究でもAIは現時点では、医師の代わりに診断や治療判断を行える段階にはないと指摘されています。
AIは医師の代わりではなく、あくまで「補助ツール」であるという理解が不可欠です。
AIを賢く使うための3つのルール
AIは危険な存在ではありません。
問題は「使い方」にあります。
大切なのは、AIの答えをそのまま正解だと思わないこと。
AIの回答は、あくまで仮説として受け取る必要があります。
可能であれば、一次情報(情報の出どころ)を確認しましょう。
診療ガイドラインや論文、専門家の意見と照合することで、情報の正確性を担保できます。
そして、医療に関わる重大な判断をするときは、必ず医師に相談しましょう。
AIの回答だけで結論を出すべきではありません。
私たちに必要なのは、AIを疑いながら使う力です。
AIは正しく使えば、極めて強力な道具になります。


