
「子どもがクループにかかって保育園に行けなくなった」というお話をよく耳にします。感冒の流行する季節になると増えてくるクループ症候群ですが、そもそもどのような病気なのでしょうか? また、喘息とはどう違うのでしょうか?
クループ症候群とは
ウイルス感染が原因の呼吸器疾患で、気管の入り口あたりが炎症によって腫れることで生じます。クループの原因は、ウイルス感染がほとんどです。、流行時期は、原因となる感染症の種類によって様々です。
【クループの原因となるウイルス】
インフルエンザウイルス
RSウイルス
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
COVID19ウイルス
パラインフルエンザウイルス
症状
クループ症候群は、喉の奥(喉頭)が腫れて狭くなることで起こる病気です。主な症状として、以下の3つが挙げられます。
- 吸気性喘鳴(きゅうきせいぜんめい):息を吸うときに「ヒューヒュー」と音がする呼吸困難の症状。
- 犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう):犬の遠吠えやオットセイの鳴き声のような特徴的な咳。
- 嗄声(させい):声がかすれる。
通常、鼻炎や咽頭炎などの風邪症状が先行し、その後にクループ症候群の症状が現れます。特に「犬吠様咳嗽」と呼ばれる咳は、クループ症候群特有のもので、気道が狭くなることで「ケーンケーン」「ヒューヒュー」「バウバウ」といった音が出ます。
幼児期は保育園などの集団生活が始まる時期でもあり、風邪を繰り返しやすいため、クループ症候群にかかりやすくなります。また、中耳炎や肺炎などの合併症を引き起こすリスクもあります。
クループ症候群は突然発症し、特に夜間に症状が悪化することが多いです。通常、症状のピークは発症から3〜4日目で、1週間ほどで徐々に改善します。ただし、呼吸困難を伴う場合は特に注意が必要です。高熱を伴う場合も、医療機関を早めに受診しましょう。
治療
クループ症候群の治療は、症状を和らげる対症療法が中心です。主な治療方法は以下のとおりです。
- **鎮咳去痰剤(ちんがいきょたんざい)や気管支拡張剤(きかんしかくちょうざい)**の内服。
- 十分な水分補給と安静。
- 喉の腫れを抑えるためにエピネフリン(アドレナリン)吸入やステロイドの内服。
- 症状が重い場合は、酸素投与や**点滴(輸液)**が必要になることも。
軽症の場合は、部屋の湿度を高く保ち、安静に過ごすことで改善が期待できます。
自宅でのケア
クループ症候群は家庭でのケアも重要です。
- 加湿をする:加湿器や濡れたタオルを部屋に置くことで、喉の乾燥を防ぎます。
- 泣かせすぎない:大泣きすると気道が狭くなり、症状が悪化することがあります。
- 刺激を避ける:冷たい空気や強い匂い(香水やタバコの煙など)は咳を誘発するため、できるだけ避ける。
- 寝る姿勢を工夫する:肩の下にタオルを敷いて少し頭を高くすると、呼吸がしやすくなります。
- 食事と水分補給:咳が落ち着いているときに少しずつ食事を与え、水分補給にも気を配りましょう。
こんな時は要注意!
クループ症候群は日中に改善することが多いですが、夜間に悪化する傾向があります。以下の症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 息を吸うときに喉や胸がへこむ(陥没呼吸)。
- 顔色や唇の色が青白くなる(チアノーゼの兆候)。
- 水が飲めず、よだれを垂らしている。
- 横になれず、苦しそうに座ったままの姿勢をとる。
特に呼吸が苦しそうな場合は、ためらわずに救急対応を検討しましょう。