
熱性けいれんとは
熱性けいれんは、38℃以上の発熱に伴い発生する一時的なけいれん発作です。主に生後6カ月~5歳の乳幼児に起こりやすく、特に1~2歳の子どもで発症率が高いとされています。
発作時には、白目をむく、全身が突っ張る、手足をガクガクと震わせるなどの症状が見られます。また、目の焦点が合わず虚空を見つめたり、目が左右どちらかに偏ったりすることもあります。さらに、呼吸が不十分になり全身の血色が悪くなる、嘔吐・失禁を伴うこともあります。
発熱とけいれんの関係
発熱が脳に影響を与え、脳の神経細胞が異常な興奮を起こすことで発作が生じます。しかし、解熱剤を使用しても使用しなくても、熱性けいれんの発症リスクは変わらないと考えられており、発熱時の解熱剤使用は発作予防の目的ではなく、お子さんの体調を楽にするために行うものです。
単純型熱性けいれんの特徴
熱性けいれんには**「単純型」と「複雑型」**の2種類があり、大多数は単純型に分類されます。
単純型熱性けいれんの特徴
- 発作は15分以内(通常は1~2分で自然におさまる)
- 24時間以内に2回以上繰り返さない
- 左右対称の全身性けいれん(局所的ではない)
※ 単純型の熱性けいれんでは、知能低下や脳障害が生じることはなく、60~70%の子どもは一生に一度しか経験しません。
一方で、**発作が15分以上続く、24時間以内に繰り返す、片側だけのけいれんが見られる場合は「複雑型熱性けいれん」**に分類され、脳炎・髄膜炎などの別の疾患が関与している可能性もあるため、より慎重な対応が求められます。
熱性けいれん発症時の対処法
発作が起こった際は、慌てず冷静に対応することが大切です。
① からだを横向きにして寝かせる
→ けいれん時に嘔吐することがあるため、誤嚥(吐物が気管に入ること)を防ぐ目的で、顔を横に向けて寝かせます。
② けいれんの持続時間や左右対称性を観察する
→ 5分以内に自然におさまり、その後意識がはっきりしている場合は、念のため医療機関を受診し、経過を伝えましょう。
③ 以下の場合は救急車を呼び、すぐに受診する
- けいれんが5分以上続く(通常の熱性けいれんより長い)
- 片側の手足だけがけいれんする、左右非対称である
- けいれん後に意識が戻らない、顔色が悪い状態が続く
- けいれんを繰り返す
熱性けいれんは多くの場合、一時的なもので後遺症を残さずに回復しますが、発作の種類によっては重篤な疾患の可能性もあるため、適切な観察と対応が重要です。
まとめ
熱性けいれんは、幼児期に発熱とともに起こるけいれん発作であり、大半は「単純型」として特別な治療を必要とせず自然に回復します。発作が15分以内におさまり、左右対称である場合は大きな心配は不要ですが、5分以上続く、片側だけけいれんする、意識が戻らない場合は速やかに救急受診が必要です。
発作時には、横向きに寝かせ、持続時間や症状を観察することが最も重要な対応となります。適切な知識を持ち、冷静に対処できるようにしておくことが、お子さんの安全につながります。