
ウイルスによる感染症のひとつで、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が突然現れるのが特徴です。
一般的な風邪と同様に、のどの痛み、鼻水、咳などの症状もみられます。
抗インフルエンザウイルス薬や症状に合わせた薬を使いながら、水分をとって安静に過ごして治るのを待ちます。
迅速検査
インフルエンザウイルスに感染していても、発熱直後の検査では陰性になることがあります。
発熱して12~24時間ほどすると、体内のウイルス量が増え、陽性と確認できる確率が上がります。
より正確に検査するには24時間以上経って検査することを推奨します。(迅速検査の結果は100%確実なものではありません)
陽性の場合に抗インフルエンザ薬の使用を希望される方は、発熱後48時間以内に迅速検査を受けましょう。
発熱後48時間以上経って抗インフルエンザ薬を使用しても効果が期待できない場合があります。
抗インフルエンザウイルス薬
抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、イナビル、リレンザなど)は、ウイルスの増殖を抑え、発熱期間を半日程度短縮する効果を期待する薬です。
重篤な合併症を予防する効果は証明されておらず、抗インフルエンザウイルス薬を使わずに自然に治るのを待つこともできます。
※抗インフルエンザウイルス薬を使用した場合は、原則、耐性ウイルスの出現を予防するため、用法・用量に従い、薬は使い切りまたは飲み切ってください。
合併症
・インフルエンザ脳症
最も多い合併症で、感染が契機となって、急速に脳に免疫学的な反応が起こり、意識状態が悪くなります。
どのように発症するのかははっきりわかっておらず、早期に診断し、抗インフルエンザウイルス薬を使用したからといって予防できるものではありません。早期に脳症かどうかを判断し脳症に対する治療を行うことが重要です。
・インフルエンザ肺炎
とくに高齢者に注意が必要です。インフルエンザウイルスが肺の細胞を破壊し、そこからバイ菌が入り込み肺炎を発症します。
そのほか、気管支炎や中耳炎などの合併症を起こすこともあります。