
適切な飲酒量については、長いこと「1日あたり純アルコール約20g以内」が推奨されてきました。
しかし、最近の科学的傾向として、少量の飲酒でもがんリスクは残ることが明らかになり、健康維持には「飲まない」もしくは「飲んでも極めて控えめに」が理想という意見が増えています。
飲酒と健康リスク
- がんリスク
少量でも乳がん、食道がんなどのリスクが上昇(国際がん研究機関IARC報告)。 - 心血管疾患
少量で冠動脈疾患リスクがやや低下する可能性あり。ただし近年は「飲まない方が総合的に健康に良い」とする意見が主流。 - 寿命
習慣的飲酒者は非飲酒者に比べて平均寿命が短い傾向あり。大量飲酒ではリスクがさらに増大。
飲酒量の計算の仕方
- 純アルコール量20g=健康リスクを抑える基準。
・日本酒:1合(180ml)・ビール:中びん1本(500ml)・ワイン:グラス2杯(200ml)
・チューハイ(7%):1缶(350ml)
・焼酎:グラス半分(100ml)
・ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
- 計算式
純アルコール量(g)= お酒の量(ml)× アルコール度数(%)÷ 100 × 0.8
(例)ビール500ml(5%)なら
→ 500 × 0.05 × 0.8 = 20g
性別・体質による違い
・男性:純アルコール40g以上で生活習慣病リスク増大。
・女性・高齢者・お酒に弱い人:純アルコール10g程度が推奨。
・個人差あり:顔が赤くなりやすい人はアルコール分解能力が低く、少量でもリスクが高まる。
まとめ
飲酒にはリラックスや気分転換させる効果もあり、様々なコミュニケーションの場での潤滑油としての役割もあります。一概に飲酒のリスクから断酒が望ましいといい切ることもできませんが、昨今の研究では少量の飲酒でもそれなりの疾患リスクがあることがわかってきており、その点は知っておいて損ではありません。